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甲状腺ホルモン薬の供給

2011年6月7日
甲状腺ホルモン薬供給再開への取組等について 第9報
日本内分泌学会、日本甲状腺学会、日本内分泌外科学会、日本甲状腺外科学会、日本小児内分泌学会の、関連5学会から、レボチロキシンナトリウム製剤(チラーヂンS錠®等)の供給について、学会員、医療機関、患者家族の皆様にお知らせします。
レボチロキシンナトリウム安定供給対策委員会(通称T4委員会)
横谷 進(委員長) 原田 正平 皆川 真規
1. レボチロキシンナトリウム製剤の在庫状況
6月6日現在でのレボチロキシンナトリウム製剤の在庫量は、以下の通りです。
(1) あすか製薬社内の「チラーヂンS」(S25、S50、S100、S散の4剤形)の在庫量は、4剤形を合わせて国内需要の約1.1か月分、「レボチロキシンNa錠50μg「サンド」(緊急輸入品)」の在庫量は国内需要の約0.9か月分、両者を合計した在庫量は国内需要の約2.0か月分です。
(2) サンド株式会社内の「レボチロキシンNa錠25μg および50μg「サンド」」(国内承認品)の在庫量は、国内需要の約0.4か月分です。
すなわち、2社の社内在庫の合計は、約2.4か月分となっています。
これは、5月18日より60日分までの処方が開始された一方で、「レボチロキシンNa錠50μg「サンド」(緊急輸入品)」の最終便の入荷と、国内での順調な製造により、結果として在庫量がわずかに増えたものと考えられます。
2. 医療現場から報告された供給の現状と対策
第8報(5月17日)において、5月18日より長期処方の自粛を部分的に解除し、60日を限度とする処方をお願いしました。しかし、医療機関・調剤薬局では十分な量を入手できずに60日処方に困難が生じたという情報が、全国のいくつかの地域から寄せられました。これについては、次のような理由が考えられます。
1. 医療機関・調剤薬局に近い流通の最終段階(医薬品卸各事業所など)まで準備が整っていない状態で、60日分までの処方が開始された
2. 処方可能な3種類の製剤のうち、そのエリアでは、決まった製剤が指定されたために、その製剤の入手が困難になった
次の段階では長期処方の自粛の解除に進むわけですが、その際には上記のような問題をなるべく回避できるようにしたいと考えます。そのためには、

3種類の製剤、すなわち、「チラーヂンS錠50」、「レボチロキシンNa錠50μg「サンド」」、「レボチロキシンNa錠50μg「サンド」(緊急輸入品)」のうち、1種類に限定せず、入手できるレボチロキシンナトリウム製剤を使用していただく。それには、医薬品卸、調剤薬局、医療機関、患者さんの、多くの方々からのご理解を再度お願いします。処方のしかたについては、すでに、第4報、第5報でお知らせしたように、以下の通りです。 処方箋に、 「チラーヂンS錠50(後発品への変更可)」、または 「レボチロキシンナトリウム水和物50μg」 と記載し、もし、処方箋薬局から疑義照会があった場合には、上記の3種類のうちいずれの製剤の処方でもよい旨を回答ください。
3. チラーヂンS50以外の剤形の出荷開始について
あすか製薬いわき工場では、チラーヂンS 50以外の剤形についても生産を再開しており、5月25日より、チラーヂンS散、チラーヂンS 25、チラーヂンS 100のいずれの剤形も、現時点では十分量でありませんが出荷を開始したとのことです。
4. レボチロキシンナトリウム50㎍錠の粉砕安定性試験結果について
これまで、散剤が入手できない場合については、50㎍錠を粉砕して処方することもお願いしてきました(第4報)。しかし、製剤の粉砕安定性については十分なデータがありませんでした。そこで、国立成育医療研究センターにおいて、国内で現在処方可能な3種類の50㎍錠(すなわち、「チラーヂンS錠50」、「レボチロキシンNa錠50μg「サンド」」、「レボチロキシンNa錠50μg「サンド」(緊急輸入品)」)を用いて、薬局で行われる通常の方法(乳鉢)で粉砕し、デンプン(トウモロコシデンプン)または乳糖(倍散乳糖)で0.01%になるように賦形して、分包(ポリセロ)しました。この分包品を用いて、2種類の条件(@温度:30℃、湿度:65%、A温度:40℃、湿度:75%)で、28日間保存し、経時的に含量を測定した結果、乳糖による賦形では、28日間までに含量が低下する製剤があったが、トウモロコシデンプンで賦形した場合にはいずれの製剤でも含量の低下は見られませんでした。このことから、デンプンで賦形する限り、通常の保存条件では3か月の保存は臨床的な問題を生じないと推測されました。なお、出来るだけ光を避け(遮光)、涼しい場所での保管をお願いします。
以上