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風邪に抗菌薬を使わない

11月14日〜21日の1週間
 米疾病対策センター(CDC)は今週1週間(11月14〜21日),抗菌薬の適正使用を推進するキャンペーン“Get Smart About Antibiotics Week”を行っている。抗菌薬に関するさまざまな情報を含む月曜から金曜まで日替わりで学べるリーフレットのほか,一般・メディア,医師,薬剤師など関係者向けの資材も豊富にそろえられており,かなりの力の入れようがうかがえる。中でも最も伝えたいメッセージの1つは,「ウイルス感染が本体である風邪に抗菌薬を使わない」ことのようだ。

風邪,インフルエンザは自然経過であれば治る
 「抗菌薬は疾患と闘うための強力な武器。しかしすべての疾患に効くわけではない」とCDC。特に風邪症状に対しては「ウイルス感染症がほとんどであり,抗菌薬は効かないばかりか耐性菌を生み出す原因となっている」と指摘。

 その上で,風邪やインフルエンザには次のような,薬剤に頼らない対応を取るべきとしている。

子ども,成人のいずれであっても,ウイルス感染症は自然の経過をたどっているのであれば,回復する。ウイルス性の風邪の場合,症状が2週間以上続くこともある
風邪やインフルエンザの場合,「水分を十分取る」「冷たい霧の吸入や生理食塩水を鼻に噴霧することでうっ血症状を緩和」「のどの痛みは氷のかけらやアメで和らげる」ことなど。
病院で使用される抗菌薬のほぼ半数は不要,新しい抗菌薬は先細り…
 さらに,米国における抗菌薬使用の現況についても,医療関係者向けに興味深い項目が多数紹介されている。以下はその一部。

病院で用いられる抗菌薬の約50%は不要,あるいは不適切に使用されている
抗菌薬の有害事象は子どもの救急外来受診の最も多い理由
抗菌薬の耐性化は入院リスク,入院期間の延長,医療費増大,集中治療室入室,死亡リスクの増加に関連する
新たな抗菌薬の開発は年々少なくなっている

ワクチンは抗菌薬耐性化に立ち向かう1つのツール。米国では2000年に7価肺炎球菌ワクチン(PCV7)を導入し,2010年までに5歳未満の子どもの耐性肺炎球菌による感染症が66%減少。さらに同耐性菌感染症を減らすため,この年からはPCV13を使用している
2010年にインドで発見された新種の耐性菌,ニューデリーメタロβラクタマーゼ(NDM-1)は今や米国,カナダ,オランダ,英国,オーストラリアなど多くの国に拡大している
 この抗菌薬適正使用キャンペーン,カナダ,欧州(11月18日のみ)でも同時実施されている。

http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1111/1111049.html