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タミフルの話題

インフルエンザ治療薬「タミフル」は、処方直後に患者の容体が急変し死亡する危険性が高いとして、薬害を調査研究するNPO法人「医薬ビジランスセンター」(代表・浜六郎医師)が21日、タミフルの使用中止などを求める要望書を小宮山厚生労働相に提出した。要望書は、厚労省のデータに基づき、浜代表らが2009〜10年に流行した新型インフルエンザで死亡した全患者198人の病状の変化を独自に分析した結果を紹介。タミフル処方後に119人が死亡し、このうち38人は処方後12時間以内に容体が急変していたが、別の治療薬「リレンザ」では、投薬後に容体が急変した例はなかったと指摘し、厚労省にタミフルの副作用の評価を見直すよう求めた。(2011年12月22日13時11分 読売新聞)

厚生労働省の対応にはまだ時間がかかると思われますが、医療者側としては重要な情報として認識しておく必要があります。ご心配があれば薬剤師に相談してください。

もとになる論文はInternational Journal of Risk & Safety in Medicine 23 (2011) 201–215. IOS Press に掲載されています。

オセルタミビルと突然型死亡:2009A/H1N1 インフルエンザの相対死亡率研究(proportional mortality study)
浜六郎a)、マーク・ジョーンズb)、奥嶋拓樹c)、北尾匡弘c)、野田成美c)、
林敬次d)、坂口啓子a)
a)NPO法人医薬ビジランスセンター(薬のチェック)(大阪)
b)クイーンズランド大学(オーストラリア、ブリズベン)
c)大阪大学医学部学生d)はやし小児科(大阪)
要約:
目的:突然型死亡とタミフル使用の疫学的関連を検討すること
研究デザイン:相対死亡率研究(proportional mortality study)
研究場所:日本
対象:2009A/H1N1 インフルエンザの全死亡者198 人中、初回受診時までに重篤化が認め
られなかった162 人.
曝露集団:タミフルおよびリレンザが処方された年齢階級別インフルエンザ患者
主要アウトカム:突然型死亡(処方12 時間以内に重篤化後の死亡)および死亡全体について求めたリレンザに対するタミフルの年齢層別化併合オッズ比(OR).
結果:タミフルが処方された死亡者119 人中38 人は12 時間以内に重篤化した(そのうち
28 人は6 時間以内の重篤化)。リレンザが処方された死亡例15 人中12 時間以内の重篤化例はなかった(註a:タミフルとリレンザの処方患者の比は約10:7)。
突然型死亡、および死亡全体の併合オッズ比はそれぞれ5.88(95%CI:1.30〜26.6、
p=0.014)および、1.91(p=0.031)であった。危険因子(基礎疾患)など背景因子は、タ
ミフル使用後の突然重篤化に関与しなかった。
結論:これらのデータは、タミフル使用が、特に使用12 時間以内に突然型死亡を誘発す
る可能性を示している。これらの知見は、一連の毒性試験結果や、症例シリーズで観察さ
れた突然死、更には複数の前向きコホート研究の結果(註b:異常行動および意識障害が
有意に増加)と整合している。「予防の原則」を考慮するなら、本研究で示されたタミフルの有害性は考慮されなければならない。また、詳細な調査の実施が必要である。
http://www.npojip.org/sokuho/no151-1.pdf