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合併症のない急性副鼻腔炎へのルーチンの抗菌薬使用は避けるべきとする

欧米の最新ガイドラインを支持する結果
 急性副鼻腔炎に対する抗菌薬使用の妥当性は明らかではないが,欧米では処方は一般化し,患者がそれを希望するケースも多い。米ワシントン大学(ミズーリ州セントルイス)のJane M. Garbutt氏らは,アモキシシリンとプラセボの効果を逐次的に比較するランダム化比較試験(RCT)を実施。疾患特異的QOLや症状改善に差がなかったことを発表した(JAMA 2012; 307: 685-692)。同氏らは「合併症のない急性副鼻腔炎へのルーチンの抗菌薬使用は避けるべきとする英国や米国の最新ガイドラインの推奨を支持する結果だ」としている。
SNOT-16で臨床的に重要な差なし
 2006〜09年,米国内の10カ所の地域医療医院で合併症がない急性副鼻腔炎の成人患者が登録され, アモキシシリン(1,500mg /日)あるいはプラセボ×10日間にランダムに割り付けられた。すべての患者は必要に応じて痛み,発熱,咳と鼻閉の対症療法を受けた。
 3,7,10,28日後に電話インタビューを行った。1次評価項目は3〜4日後の疾患特異的QOLとし,「Sinonasal Outcome Test(SNOT)-16」※を用いて評価。2次評価項目は,患者が後ろ向きに評価したベースラインからの副鼻腔の症状および機能状況の変化,治療満足度,有害事象などとした。
 研究基準を満たしたのは166人(アモキシシリン群85人,プラセボ群81人)で,男性は36%,白人は78%だった。アモキシシリン群の94%,プラセボ群の90%が1つ以上の対症療法を受けていた(P=0.34)。
 3日後のSNOT-16スコアの変化はアモキシシリン群で−0.59,プラセボ群で−0.54。平均差は0.03(95%CI −0.12〜0.19)で有意差はなかった。10日後も平均差0.01(同−0.13 vs. 0.15)で有意差は認められなかった。7日後については平均差0.19(同0.024 vs. 0.35)でアモキシシリン群の方が統計学的に優れていたが,臨床的に重要な差ではなかった。
 3日後の症状改善にも有意差はなく(アモキシシリン群37% vs. プラセボ群34%,P=0.67),10日後も同様だった(78% vs. 80%,P=0.71)。ただし,7日後の症状改善は74% vs. 56%(P=0.02)とアモキシシリン群が優れていた。
対症療法により抗菌薬の投与を避けられる
 10日間の服薬を完了した者(アモキシシリン群74人,プラセボ群69人)に限定して分析を行っても,1次解析と同様の結果となった。
 欠勤期間,日常活動が不可能な期間,28日までの再発,追加の医療利用,治療満足など,その他の評価項目について両群間で差はなかった。
 深刻な有害事象はなかった。

 Garbutt氏らは「10日間のアモキシシリンの治療効果は,あってもごくわずかだった。対症療法を行い,患者に同疾患の自然な経過を説明することで抗菌薬の投与を遅らせるか,避けることができるかもしれない」と考察。一方,深刻な合併症を示す症例には違う管理方法が必要になるだろうと指摘している。
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1202/1202046.html