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糖尿病の新しい治療

GLP-1、インスリン併用は有効な治療- 米糖尿病学会でサノフィ新薬試験結果を公表

 現在の治療法で血糖コントロールがうまくいかない2型糖尿病患者の新たな治療選択肢につながる可能性のある臨床試験結果が公表された。9日(現地時間)の米国糖尿病学会で発表されたサノフィの新規糖尿病治療薬リキシセナチドの臨床試験結果では、長期的な血糖値の指標であるHbA1c(ヘモグロビンA1c)の値が一般的な糖尿病治療で十分下がらない患者に対し、同薬を基礎インスリン(同社のランタス)と併用して投与した結果、併用しなかった場合よりも有意にHbA1cの値が低下した。

 同薬は「GLP-1受容体作動薬」と呼ばれる新しいタイプの糖尿病治療薬。同日のメディア向けセミナーで講演したバニータ・アロダ氏(米メドスター地域臨床研究センター科学ディレクター)は、GLP-1受容体作動薬と基礎インスリンの併用が、血糖値をコントロールするための有効な治療戦略になり得るとの見方を示した。

 GLP-1受容体作動薬は、体内で血糖値を下げる役割を担うインスリンの分泌を促進する。血糖値が高い時のみに作用するため、特に食後高血糖への有効性が期待されているほか、これまでの糖尿病治療薬で問題となっていた低血糖の副作用が少ないといわれている。

 日本では2製品が既に発売されているが、いずれも基礎インスリンとの併用は保険で認められていない。

■併用で半数以上の患者がHbA1cの目標値に

 9日に結果が発表された臨床試験「Get Goal Duo1」では、導入期間として試験開始後12週にわたって基礎インスリンを投与。その後、HbA1cの値が7%を超えている患者を対象に、リキシセナチドを24週にわたって追加で投与する「併用群」と、プラセボ(偽薬)を加える「プラセボ群」に分けて有効性などを比較した。

 糖尿病ではHbA1cの値を7%未満に抑えることで合併症が減少することから、これが糖尿病患者の治療目標値になっている。試験結果によると、導入期間終了時のHbA1cの平均値は7.6%だったが、併用群は平均6.96%まで低下。一方、プラセボ群は平均7.3%にとどまった。また、実際に7%未満を達成した患者の割合を比較すると、併用群は56.3%で、プラセボ群の38.5%よりも有意に高かった。

■空腹時と食後、双方の血糖値に対処でHbA1cが低下

 同日のセミナーでは、ロバート・カディヒィ氏(サノフィ米国法人バイスプレジデント)とアロダ氏が「Get Goal Duo1」の試験結果に基づき、糖尿病治療におけるGLP-1受容体作動薬と基礎インスリンの併用の意義などについて解説。

 HbA1cの値には空腹時の血糖値と、食後の血糖値が関係しているが、カディヒィ氏は現在の糖尿病治療の問題点として、基礎インスリンなどを用いた一般的な治療法では、空腹時の血糖値が下がっても、食後の血糖値が下がっていないために、半数の患者でHbA1cの目標値に到達していないと指摘。その上で、「目標値を達成するには、空腹時の血糖値だけでなく、食後の血糖値も併せて管理する必要がある」とした。

 また、アロダ氏は、食後血糖値を下げる効果の強いGLP-1受容体作動薬を、空腹時の血糖値を下げる基礎インスリンと併用して投与することで、「お互いが補完的に作用し、HbA1cの値を低下させる利点をもたらす」と述べた。

 リキシセナチドについては、サノフィの日本法人が11日、厚生労働省に承認申請を行っている。

http://www.cabrain.net/news/article/newsId/37435/page/1.html

DPP-4阻害薬
一般名:シタグリプチンリン酸塩水和物
「ジャヌビア」(万有製薬)
「グラクティブ」(小野薬品工業)
一般名:ビルダグリプチン
「エクア」(ノバルティスファーマ/サノフィ・アベンティス)
一般名:アログリプチン
「ネシーナ」(武田薬品工業)
一般名:リナグリプチン
「トラゼンタ」(日本ベーリンガーインゲルハイムと日本イーライリリー)

GLP-1受容体作動薬
一般名:リラグルチド
「ビクトーザ」(ノボ ノルディスク ファーマ)
一般名:エキセナチド
「バイエッタ」(日本イーライリリー)
一般名:リキシセナチド(サノフィ・アベンティス)