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スルホニル尿素(SU)系糖尿病薬の話題

メタ解析 SU薬投与で心血管死、心血管イベントのリスク有意に上昇
(心血管イベント;定義として、冠動脈疾患、非致死的非処置心筋梗塞、心臓停止後蘇生、致死的・非致死的卒中)

2型糖尿病におけるスルホニル尿素(SU)薬の投与が、心血管疾患のリスク因子であることが、メタ解析の結果から明らかになった。米国Western University of Health SciencesのOlivia Phung氏らの研究グループが、6月8〜12日まで米国・フィラデルフィアで開催された第72回米国糖尿病学会(ADA)のレイトブレイキング、ポスターセッションで発表した。

SU薬は、2型糖尿病の治療において、一般的にメトフォルミンと併用される。SU薬の投与と心血管疾患のリスク増加との関連性が指摘されているが、これまでの臨床試験や観察研究では一貫した結論がまだ得られていないのが現状だ。

同解析では、2011年12月までのMEDLINEとコクラン中央登録の試験データベースから、2型糖尿病における心血管関連の転帰についてSU薬投与群とSU薬非投与群とを比較検討した、12の無作為化臨床試験と21の観察研究を抽出し、メタ解析した。

被験者の総数は約130万人以上で、ほとんどの研究が年齢や性別、併用薬剤、心血管(CV)歴、糖尿病罹患期間、血糖コントロールについて調整し、解析していた。

◎低血糖との関連性が影響? 待たれる長期成績

メタ解析の結果、コホート試験からの集積比較データでは、SU薬の投与と心血管死リスク上昇との間に有意な関連性が見られ(相対リスク1.26、95% CI:1.18 – 1.34)、メトホルミン投与と比較しても、SU薬投与により、有意に心血管死のリスクが上昇していた(相対リスク1.26、95% CI:1.17– 1.35)。

また心血管疾患関連の複合イベント(心血管死、心血管イベント、心筋梗塞、脳卒中、心血管疾患による入院)との関連性においても、SU薬の投与は有意にリスク上昇と関連しており(相対リスク1.11、95% CI:1.05– 1.18)、メトホルミンとの比較でも、有意にリスクが高かった(相対リスク1.18、95% CI:1.13– 1.24)。

研究グループは、SU薬の投与が心血管イベントを上昇させるメカニズムとして低血糖との関連を挙げ、「低血糖によって、心筋での酸素消費量が増加する可能性があり、そのことにより心血管イベントが増加するのかもしれない」と推測している。

これらの結果から研究グループは、SU薬の投与と心血管疾患リスク上昇との関連性が示されたことで、「特に心血管リスクが高く、他の治療選択肢がある2型糖尿病患者では、実臨床での再検討を示唆するものである」とした。その上で、「確かな因果関係については、今後の長期試験で検討していく必要がある」との見解も示した。

http://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/42730/Default.aspx

(代表的なSU剤には次のような製品があり、広く使われています。商品名、括弧内は一般名) 
ヘキストラスチノン(トルブタミド)、グリミクロン(グリクラジド)、オイグルコン・ダオニール(グリベンクラミド)、アマリール(グルメピリド)など