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国際研究チームがスウェーデン人女性4万4,000人を15年追跡
 極端な糖質制限食として知られるアトキンスダイエットで心血管疾患(CVD)が増加するという報告が散見される中,ギリシャ・アテネ大学メディカルスクールのPagona Lagiou氏ら国際研究チームは,大規模コホート研究the Swedish Women’s Lifestyle and Health Cohortに参加したスウェーデン人女性約4万4,000人を約15年間前向きに追跡。糖質摂取量の低下,あるいは蛋白質摂取量の増加は全CVDイベントに有意に関連していたとBMJ (2012; 344: e4026)に報告した。

糖質20g/日減少,蛋白質5g/日増加で全CVDイベントが4%増
 1991〜92年,31〜49歳のスウェーデン・ウプサラ地方の女性約9万6,000人に郵便で参加を呼びかけ,質問票の記入と返送を依頼した。回答を送った4万3,986人を15.7年間(68万818人・年)追跡した。

 CVDと糖質摂取の減少および蛋白質摂取の増加,これらの複合スコアlow carbohydrate-high protein score(糖質と蛋白質の摂取をエネルギー量によって10段階に分け,糖質摂取が最も少ない場合と蛋白質摂取が最も多い場合をそれぞれスコア10とし,両者を加算)との関連を調べた。調整因子はエネルギー摂取,飽和脂肪酸摂取,不飽和脂肪酸摂取と,いくつかの食物以外の変数とした。

 追跡中のCVDイベントは,虚血性心疾患(IHD)703人,虚血性脳卒中294例,出血性脳卒中70例,くも膜下出血121例,末梢動脈疾患(PAD)82例だった。

 全CVDイベントの発症率比(IRR)は,低糖質スコアの増加1当たり1.04(95%CI 1.00〜1.08)で,高蛋白質スコアの増加1当たり1.04(1.02〜1.06),複合スコアの増加2当たり1.05(1.02〜1.08)と上昇した。なお,低糖質スコアの1増加は1日当たりの糖質摂取の約20g減少,高蛋白質スコアの1増加は蛋白質摂取の約5g増加に相当した。

極端な低糖質・高蛋白食では全CVDイベントが60%増加
 疾患別に見ると,IHD,虚血性脳卒中のIRRは,蛋白質摂取の増加,複合スコアの増加で有意に上昇した。その他のCVDでは有意差はなかった。低糖質,高蛋白,複合スコアと5つの疾患別アウトカムとの関連に異質性はなかった。

 極端な低糖質・高蛋白質食について見ると,複合スコア6以下と比べた全CVDイベントのIRRは,16以上で1.60と60%上昇した。なお,IRRはスコア13〜15で1.54, 10〜12で1.23, 7〜9で1.13と,複合スコアが高いグループで明らかに発症率が高かった。

蛋白質が主に動物性か植物性かで有意な交互作用認められず
 食生活は長い期間のうちに変化する可能性がある。最初の10年間とそれ以降に分けて分析すると,各スコアとCVDの関連は後の期間では減弱していた。

 さらにLagiou氏らは,蛋白質が動物性か植物性かで関連が異なるかどうかを検証した。低糖質スコアの増加1当たり全CVDイベントのIRRは,動物性蛋白質の摂取が中央値(40.9g/日)以上であった場合1.06(同1.00〜1.12),中央値以下だった場合0.99(同0.93〜1.06),交互作用のP値は0.86で有意差はなかった。同様に,高蛋白質スコア,複合スコアと全CVDイベントとの関連は,蛋白質の摂取が主に植物性の場合と比べて動物性の場合でやや強かったものの,有意な交互作用はなかった。

 同氏らによると,本研究で対象となった中高年女性は,必然的に高蛋白質摂取となる糖質制限による体重コントロールをしばしば行う層である。今回の結果からは短期の効果は分からないとしつつも,複合糖質か精製された糖質か,植物性蛋白質か動物性蛋白質かなどを考慮せずに低糖質・高蛋白質食を続ける場合は,CVDリスクが問題になると結論付けている

http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1206/1206086.html
「話題の○○ダイエット」って、常に何かが流行していますが、安全性や有効性がどこまで確認されているか、調べてからにしたほうが良いと思います。