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C型慢性肝炎の標準治療に関する話題

イタリア研究
 イタリア・ナポリ大学消化器部門のAlba Rocco氏らは,C型慢性肝炎の標準治療であるペグインターフェロン(PEG-IFN)α+リバビリン(RBV)併用療法を行っているC型慢性肝炎患者にビタミンB12を追加投与したところ,同併用療法に治療抵抗性を示すgenotype 1型患者のウイルス学的著効(SVR)達成率は,標準治療群の22%に対し63%と有意に高かったことをGUT 2012年7月17日オンライン版に報告した。

ビタミンB12 5,000μgを4週ごとに筋注
 C型慢性肝炎患者に標準治療のPEG-IFNα+RBV併用療法を増強させるboceprevir やテラプレビルなどのプロテアーゼ阻害薬を上乗せ投与することで,標準治療抵抗性のgenotype 1型例でSVR率の改善が示されている。
しかし,上乗せ投与による有害事象の発生およびその対策,高い医療費などへの課題も残る。そこで,肝炎,肝硬変,肝臓がん・がん転移とシアノコバラミン(ビタミンB12)欠乏の関連性に着目したRocco氏らは,PEG-IFNα+RBV併用療法にビタミンB12を追加し,その効果を検討した。
 対象のC型慢性肝炎患者94例を,PEG-IFNα+RBVを投与する標準治療群(47例,平均年齢51歳,男性47%)および標準治療にビタミンB12(5,000μgを4週ごとに筋注)を追加する+ビタミンB12群(47例,同53歳,49%)にランダムに割り付け,48週までのcomplete early viral response(cEVR),end-of-treatment viral response(ETVR),SVRを評価した。なお,両群間におけるC型肝炎ウイルス(HCV)の量や遺伝子型(genotype1〜3型)に差はなかった。
1型HCV-RNA量高値例のSVR達成率は70%
 cEVR達成率は標準治療群の64%に対し+ビタミンB12群では85%であり,有意に高かった〔intent-to-treat(ITT)解析によるP=0.03〕。ETVR達成率は,標準治療群63%,+ビタミンB12群83%であり有意差が生じた(P=0.03)。SVR達成率についても同様であり,標準治療群の38%に対し+ビタミンB12群では72%と有意に高かった(P<0.001)。
 興味深いことに,+ビタミンB12群におけるSVR達成率の高さは治療困難なgenotype1型(1b+1a)およびベースラインのHCV-RNA量高値例(50万U/L以上)でも認められた。
 genotype 1型のSVR達成率は標準治療群の22%に対し,+ビタミンB12群では63%と有意に高かった(P=0.002)。しかし,genotype 2型および3型では両群間に有意差は見られなかった。
 ベースラインのHCV-RNA量が高値であった例のSVR達成率は,標準治療群32%,+ビタミンB12群70%であり,両群間に有意差が認められた(P=0.002)。
 Rocco氏らは,標準治療群にビタミンB12を追加する治療法は,安全かつ低コストでSVRを改善できる治療選択肢であると述べている。
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1207/1207052.html
(日本で汎用されているビタミンB12製剤は1錠が500μgですから、少々飲んでみるくらいでは効果が期待できません。この治療方法が本当に有効でかつ安全なものかは、しばらく様子を見る必要があります)

もう一つの話題■[論文]EurekAlert(http://www.eurekalert.org)より
C型肝炎治療に使われるハーブレメディに効果はないことが証明された
Herbal remedy used to treat hepatitis C proves ineffective, Penn study finds
19-Jul-2012
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2012-07/uops-hru071912.php
世界中で慢性肝疾患治療に使われているアザミ抽出物であるシリマリンは患者に意味のある改善をもたらさなかった。JAMAに発表された。
Effect of Silymarin (Milk Thistle) on Liver Disease in Patients With Chronic Hepatitis C Unsuccessfully Treated With Interferon Therapy: A Randomized Controlled Trial
Michael W. Fried et al.,
JAMA. 2012;308(3):274-282
http://jama.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=1217238
米国4つの医療センターで154人の慢性HCV感染があり血清ALTレベルが65U/L以上でインターフェロン療法が成功しなかった患者に、シリマリン420mg、700mg、及びプラセボを1日3回24週間投与した。一時アウトカムはALTの正常レベル(45U/L)までの低下、二次アウトカムはQOLなども含む。結果としてプラセボと変わらない。
(ネット通販にたくさん出ていますが、止めたほうがよさそうですよ)