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急性鼻副鼻腔炎の治療方法

オランダの一次医療施設における二重盲検RCT
 急性鼻副鼻腔炎に対する抗菌薬のエビデンスが限定的との知見が発表される一方(関連記事),症状コントロール薬としてのステロイドの位置付けにも注目が集まっているようだ。オランダJulius Center for Health Sciences and Primary CareのRoderick P. Venekamp氏らは,急性鼻副鼻腔炎患者に対する経口ステロイド(プレドニゾロン)投与の臨床的ベネフィットを一次医療施設における二重盲検ランダム化比較試験(RCT)で検討。その結果をCMAJ 2012年8月7日オンライン版に報告した。

プライマリケアでの臨床的ベネフィットは確認できず
 急性鼻副鼻腔炎はプライマリケアでよく遭遇する疾患,とVenekamp氏ら。一般的に症状は2〜4週間続くが,患者らはさまざまな愁訴で受診するために,抗菌薬の多用につながっている可能性があるとも指摘している。しかし,最近では多くの患者では抗菌薬投与によるベネフィットがないことが明らかになってきている一方,鼻症状の改善にステロイドが有効かもしれないとの報告も行われているという。

 最近のコクランレビューでは,急性鼻副鼻腔炎に対する全身ステロイド療法の短期的な効果があるとされているものの,同氏らは「データは限られており,レビューの対象試験に含まれる患者はほとんどが二次医療施設を受診した人々」として,プライマリケアにおける同療法の有用性を検討。

 2008年12月〜11年4月にオランダの58カ所の一次医療施設を受診,臨床症状から急性鼻副鼻腔炎と診断された成人患者185例が対象となった。プレドニゾロン30mg/日群またはプラセボ群へのブロックランダム化が行われ,7日間被験薬を投与し,14日間の症状日記を付けた。

 試験を完遂した174例(プレドニゾロン群88例,プラセボ群86例)をintention to treat解析した結果,試験開始7日目の顔面痛や顔面の圧迫感が改善した患者の割合は実薬群62.5%(88例中55例),プラセボ群55.8%(86例中48例)。両群の絶対リスクの差は6.7%(95%CI −7.9〜21.2%)であった。また両群の全般症状(鼻水,後鼻漏,鼻閉,咳,顔面痛)および健康関連QOLが改善するまでの時間は同等であった。有害事象は軽度で,発現率に差はなかった。

 同氏らは検討結果から,臨床的な急性鼻副鼻腔炎に対する経口ステロイド単剤のベネフィットは見られなかったと結論。今後詳しい検討で経鼻あるいは経口ステロイド薬が有用と考えられるサブグループを明らかにしていくべきと述べている。

http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1208/1208028.html

(なにが正しい治療なのか、判断するのはなかなか難しい)