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プロトンポンプ阻害薬(PPI)服用と重症市中肺炎(CAP)の関連

プロトンポンプ阻害薬(PPI)服用と重症市中肺炎(CAP)の関連が指摘されている(関連記事)。米ハーバード大学ヘルスケア政策部門のAnupam B. Jena氏らは,falsification解析によりPPIとの関連を評価したところ,CAPだけでなく同薬との関連が信じ難い変形性関節症(OA),胸痛,尿路感染症(UTI),深部静脈血栓症(DVT)などとも有意に関連していたことを,一般用医薬品(OTC)を含むPPI服用者の後ろ向き研究で明らかにした(Gen Intern Med 2012年9月7日オンライン版)。

3カ月間処方されていた群では発症がより多い

 PPIは胃食道逆流症(GERD)や消化性潰瘍などに広く用いられている薬剤だが,同薬服用例では非服用例に比べて肺炎を発症しやすいことが指摘されていた。

 対象は,11年以上の間にPPIを服用していた2万6,436例(PPI群,平均年齢66.5歳,男性39.9%)および同薬を服用していない2万8,054例(対照群,同66.0歳,44.0%)。多変量線形回帰モデルにより,3カ月ごとのPPI服用とCAP診断の関連を後ろ向きに検討した。

 さらに,一見するとPPIとの関連がありそうもないOA,胸痛,UTI,DVT,皮膚感染症,関節リウマチ(RA)についても,falsification解析によりPPI服用との関連を評価した。

 なおPPI群は,OTC群と処方箋群の2つである。補正因子は,3カ月ごとの疾患の罹患率,年齢,収入,地理的位置,結婚歴など。

 その結果, 3カ月間における1万人当たりの肺炎発症は,OTC群は68例,非服用群は61例(P<0.001)であり,胸痛は各336例,282例(P<0.001),UTIは各151例,139例(P<0.001)と,いずれもOTC群で疾患発症が有意に多かった(図)。

 さらに,処方箋群における1万人当たりのCAP発症は3カ月間で111例,胸痛は597例,UTIは186例であり,OTC群に比べて,いずれも有意に多かった(P<0.001,図)。

 また,処方箋群における1万人当たりのOA発症については,OTC群に比べて有意に多かった(505例 vs. 438例,P<0.001)。

 処方箋群およびOTC群における1万人当たりのDVT発症は25例 vs. 16例,皮膚感染症発症は143例 vs. 124例,RA発症は85例vs. 68例であり,いずれも処方箋群で発症数が有意に多かった(各P<0.001)。

 以上,PPIはCAP発症だけでなく,DVT,皮膚感染症,RAなどでも関連が認められたことから,Jena氏らは評価に用いたfalsification解析が一見すると疾患との関連が見分けにくい場合でも評価できる有用なツールであるとしている。

http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1209/1209029.html
(にわかに信じられないような話です。消化管からの細菌が胃で殺菌されず、食道ー気管へと行ってしまうからでしょうか。これがにわかに信じられない、というところが薬剤師や医師の陥り易い思考回路の欠陥かも)