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1日1個程度の卵は心血管疾患リスク上昇に関連せず

食品の話題が続きます

日米の前向き観察研究を対象としたメタ解析

 中国・同済医科大学のYing Rong氏らは,卵の摂取量と心血管疾患リスクに関するメタ解析をBMJ (2013; 346: e8539)に報告した。対象となったのは日本で実施されたNIPPON DATA80や米国保健栄養調査(NHANES),Nurses' Health Studyなどの前向き観察研究。解析の結果,1日1個程度の卵の摂取は冠動脈疾患(CHD)や脳卒中のリスク上昇に関連しないことが示された。

高コレステロールの一方,重要な栄養素やHDL-C上昇作用も
 食事からのコレステロール摂取が血清LDLコレステロール(LDL-C)値に直接与える影響はあまり大きくないが,LDLの酸化や食後高脂血症を起こすことで心血管リスクを上昇させると考えられている。Lサイズの卵1個当たりに含まれるコレステロールは約210mgと多く,しばしばコレステロール制限の対象となっているとRong氏ら。しかし,卵は安価なだけでなく,ミネラルや蛋白質,不飽和脂肪酸といった心血管疾患リスクを減少させる成分も含み,HDLコレステロール(HDL-C)を上昇させることから,危険因子のない健康な人においてはむしろ普段の食事に取り入れるよう推奨されている。一方,これまでに複数の前向き観察研究で卵の摂取量とCHDや脳卒中の関連が検討されたが,その結果には議論の余地があるとして同氏らは今回,メタ解析を実施した。

 解析の対象となったのは米国の医療関係者や一般人を対象としたNurses' Health StudyやNHANES,日本のNIPPON DATA 80や多目的コホート研究(JPHC study)など,8つの試験に関する17件の報告。9件がCHDとの関連を,8件が脳卒中との関連を検討しており,前者は308万1,269人年,5,847件のイベントを,後者は414万8,095人年,7,579件のイベントを含んでいた。

 全体の解析では,卵とCHDまたは脳卒中の間に有意な用量依存的関連は認められなかった(各P=0.67,P=0.27 for non-linearity)。1日1個の卵を摂取した場合のCHDリスクは,0.99(95%CI 0.85〜1.15,P for linear trend=0.88),脳卒中リスクは0.91(同0.81〜1.02,P for linear trend=0.10)と有意な上昇は見られなかった。いずれも論文間の有意な異質性は認められなかった(各P=0.97,I2=0%;P=0.46,I2=0%)。

糖尿病患者や脳出血リスクのサブ解析では,全体と異なる傾向
 一方,糖尿病患者のサブグループを対象とした解析からは,全体での傾向とは異なり,最も卵の摂取量が少ない(週1個未満)群に比べ,最も高い(1日1個超)群においてCHDリスクの有意な上昇が見られた(相対リスク1.54,95%CI 1.14〜2.09,P=0.01)。しかし,脳出血に関しては,最も摂取量の高い群でリスクが有意に減少していた(0.75,0.57〜0.99,P=0.04)。

 以上の結果から同氏らは,1日1個程度の卵の摂取と,CHDや脳卒中のリスク上昇の関連は見られなかったと結論。一方,糖尿病患者のCHDリスクや脳出血リスクとの関連については,いずれも小規模な検討であったことから解釈に注意が必要との見解を示している。

JPHC study「TCを低く保つことが重要」
 なお,今回のメタ解析に含まれているJPHC studyでは,卵の摂取量と心筋梗塞(MI)リスクに関連は認められなかった一方,同じコホート内で総コレステロール(TC)値別の検討を行ったところ,TCが高いほどMIリスクが上昇していたとの結果も示されている。同研究グループは「MI予防のために卵の摂取を制限する根拠はない」とする一方,「予防のためにはTC値を低く保つことが重要。TC値は動物性脂肪など卵以外の食品でも上昇するうえ,遺伝的な影響を受けることも分かっている。詳しい検査に基づいた適切な指導や治療が大切」とアドバイスしている。

http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1301/1301004.html

(いろいろな研究報告があるので、これもただちに信じてはいけませんが、タマゴかけご飯が好きなので気になります)