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サプリよりサカナ

魚に多く含まれている成分であり、オメガ−3系(ω−3系)脂肪酸の一種であるドコサヘキサエン酸(DHA)は、SLO1チャネルと呼ばれるイオンチャネルの機能に影響を及ぼすことによって血圧を下げているかもしれない、というペンシルベニア大学他の研究報告。

血管平滑筋細胞の内側や外側にナトリウムイオン、カルシウムイオン、カリウムイオンなどが移動して適度な血圧が維持されているが、その機構には細胞膜に存在しているイオンチャネルが関与していると言われている。

今回の分析により、ω−3系脂肪酸はカリウムイオンを細胞外へ流出させる特定のイオンチャネル(SLO1チャネル)と直接結合し、そのチャネルの開口を助けると確かめられた。SLO1チャネルの開口は血管平滑筋細胞を弛緩させ、血圧低下を引き起こすと考えられている。

これらのイオンチャネルはDHAの特異的な受容体のように働き、ω−3系脂肪酸と結び付くことで開口するとわかった。しかし構造的にDHAより短いエイコサペンタエン酸(EPA)や植物から抽出されるα−リノレン酸(ALA)などのω−3系脂肪酸でその効果は小さい傾向にあった。

マウスを用いてω−3系脂肪酸の効果を調べたところ、DHAは正常なマウスにおいて血圧を低下させると確認された。しかしSLO1チャネルを産生できないマウスで高血圧に対するDHAの有効性は見られなかったため、DHAはSLO1チャネルを介して血管を拡張し血圧を低下させると考察されている。

またサプリメントで頻繁に認められるDHAの変化したタイプ(DHAエチルエステル)は、高血圧に対する効果を示さない場合があったという。DHAエチルエステルは魚油に含まれるDHAとイオンチャネルの結合部位を奪い合うことから、天然のDHAの影響を減少させる可能性もあると推察されている。

この調査結果により、魚油のような食品からω−3系脂肪酸を摂取することが大切だと言えるのではないか、と研究者らは述べている。
出典は『国立科学アカデミー論文集』。 (論文要旨)    
http://www.nutritio.net/linkdediet/news/FMPro?-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=39145&-lay=lay&-Find

(まさか、サカナを食す前に受診が必要だなんて言わないですよね)