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米国老年医学会Choosing Wiselyのリストを改訂

米国老年医学会Choosing Wiselyのリストを改訂

 米国老年医学会(AGS)は昨年(2013年)に続き,今年の新たな「必要性を考慮すべき5項目」を発表した。
定期検査なしの認知症治療薬の処方や期待余命等考慮しないがん検診を推奨しない項目が追加

 昨年のリストでは「進行性認知症患者への経管栄養法を勧めない」「65歳以上の目標HbA1c7.1%(NGSP値)未満を達成するために薬物療法を行わない」といった5項目が示されていた(関連記事)。今回新たに追加された5項目は以下の通り。

@認知機能への明らかなベネフィットならびに消化管への有害事象に関する定期的な評価を行うことなく,コリンエステラーゼ阻害薬(認知症治療薬)を処方しない。

A期待余命や検査によるリスク,過剰診断や過剰治療を考慮することなく乳がん,大腸がん,PSA検査による前立腺がんの検診を推奨しない

B高齢者の食欲不振やカヘキシアに対する食欲増進薬や高カロリー輸液を行わないようにする。これに代わるものとして社会的サポートの最適化,食事介助や患者の治療目標および意向の明確化を行う

C処方全体を見直すことなく新たな薬剤を処方してはならない

D入院中に譫妄を呈した高齢患者に対し,行動抑制を目的とした身体拘束を行わないようにする
体重・食欲増進に用いられる各種薬剤の十分なエビデンスはなし

 Bについて,AGSは医学的問題や脆弱性を抱える高齢者にとって意図しない体重減少は一般的な問題と説明。高カロリー輸液により高齢者の体重が増加するものの,それがQOLや生存率の改善といった重要な臨床予後に影響するかについてはエビデンスがないと指摘。また,食欲増進薬として使用されているmegestrolについては食欲増進および体重増加効果が小さい一方,生存率の改善は見られず血栓性イベントの増加が示されていると説明。同学会が策定している高齢者が避けるべき医薬品リスト(Beers criteria)2012年版では,同薬およびH1受容体拮抗薬のシプロヘプタジン(日本での商品名ペリアクチン)が追加されたと述べている。

 また,カンナビノイド,DHAやEPAを含む機能性食品,サリドマイド,アナボリックステロイドに関するシステマチックレビューからは体重増加に対する有効性と安全性を示す十分なエビデンスは見いだせなかったこと,抗うつ薬であるミルタザピン(日本での商品名リフレックス,レメロン)についてはうつ病治療において体重や食欲を増加させる可能性が示されているものの,うつ状態のない状態での食欲増進などの目的を支持するエビデンスはほとんどないとの見解が示されている。
処方全体の見直しは高齢者への処方の質を示す指標

 Cの新たな薬剤処方時に処方全体の見直しを行う点については,多剤使用(polypharmacy)が服薬アドヒアランスを減少させ,薬剤関連有害事象や認知機能障害リスク,転倒,機能低下につながる可能性があると指摘。処方全体の見直しにより,高リスク薬の処方や薬物相互作用などの同定につながる他,不要な処方や過少使用なども明らかにできると意義を説明している。その上で年1回の処方見直しは,脆弱性の高い高齢者に質の高い処方を行っているかを示す1つの指標と述べている。
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(B高齢者の食欲不振やカヘキシアに対する食欲増進薬や高カロリー輸液を行わないようにする C処方全体を見直すことなく新たな薬剤を処方してはならない など医療の世界も徐々に正しい方向に向いている でも、ちょっと遅いよな  も少し前から 分かっていただろ)