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GSK  パキシルの自主回収を検討、英本社は決定済み

GSK  パキシルの自主回収を検討、英本社は決定済み FDAのアイルランド原薬工場警告で( 2014年4月5日 )
 グラクソ・スミスクライン(GSK)の日本法人が、抗うつ薬「パキシル」(一般名=パロキセチン塩酸塩水和物)の自主回収を検討していることが分かった。GSKアイルランドの原薬(API)製造工場に対し、米FDA(食品医薬品局)が警告状(Warning Letter)を発出し、英GSK本社は問題となったAPIで製造されたパキシルについて、全ての販売国で回収することを決定。日本国内にも該当製品があることが確認されている。

 回収の対象となっているのは、11年7月から12年2月にGSKアイルランドのCork工場で製造されたAPIを使用した薬剤。英GSKの自主回収の決定を踏まえ、日本法人も対応を検討しており、4日の段階で東京都福祉保健局薬務課安全対策係と協議中。同社は今回の件について「(問題のパキシルを使用しても)健康被害のリスクが高まることはない」との考えを示している。

●汚染発覚後も品質検査で「問題なし」

 FDAは3月18日付で、GSKのCEOであるAndrew Witty氏に対して、アイルランドのCork工場に関する警告状を発出。警告状は、13年10月に行われたFDAの調査結果を受けたもので、Cork工場について▽重大なCGMP違反に対する調査▽規格外品に対する調査▽製造の再現性―について、いずれも不十分(failure)と記した。

 FDAによると、パキシルのAPI製造工程で使用する溶媒を保管するタンクと、廃液を保管するタンクをつないだところ、廃液が混入し、溶媒が汚染されていた。

 GSKは12年1月にこの事実に気付いていたが、APIの品質検査やリスク評価を行った上で「問題ない」と判断し、この溶媒をそのまま使用して原薬を製造したという。FDAは「GSKはCGMP違反の可能性を認識しながらも、汚染された可能性がある原薬を輸出した」との見解を示し、対応が不十分だったと指摘している。

 FDAはまた、Cork工場が一連の問題についてAPIを使用する顧客に連絡しなかった点も問題視。廃液が製造工程に流入した点について「品質に影響を与えかねない『重大なCGMP逸脱』という認識がGSKにない」と懸念を示した。

●後発品の需要増になるか

 英GSKが発表した2013年業績(1〜12月)によると、パキシルの全世界売上高は2億8500万ポンド。日本市場での13年の売り上げは非開示だが、12年から後発品の参入が始まり、前年比で9%落ち込んでいる。パキシルが自主回収された場合、その規模にもよるが、後発品の需要が高まることが予想される。