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ペニシリンアレルギーの申告の多くは思い違い

米国では問診票の「ペニシリンアレルギーがある」という項目にチェックを入れる人が多いが、そのほとんどは間違いであることが新たな研究で示された。

2件の研究報告において、追跡検査の結果、自分がペニシリンアレルギーであると思っている人のほとんどは実際には抗生物質に対するアレルギーをもたないことが明らかにされた。

1件目の研究では、自分がペニシリンアレルギーだと思っていた384人のうち94%は、アレルギー検査で陰性であった。もう1つの研究では、抗生物質アレルギーがあるという38人にペニシリン皮膚試験を実施した結果、全員が陰性であった。2件の研究は、米アトランタで開催された米国アレルギー・喘息・免疫学会(ACAAI)年次集会で発表された。

1件目の研究の筆頭著者であるThanai Pongdee氏は、「被験者は過去のある時点でペニシリンに対してじんましんや腫れなどの好ましくない反応があったと思われるが、現時点ではペニシリンアレルギーの徴候は全くみられなかった」と説明している。

しかし、このような思い違いが治療に影響することがある。患者にペニシリンアレルギーがあると申告された場合、医師は手術前に別の薬剤を処方するが、代替となる抗生物質には毒性の強いものや高額なものがあるとACAAIは指摘している。

別の専門家らは、今回の研究は重要な問題点を提起するものだと述べている。米ウィンスロップ大学病院(ニューヨーク州)のLuz Fonacier氏は、「アレルギー専門医がペニシリンをはじめとするβラクタム系抗生物質に対するアレルギーを評価することは重要であり、対費用効果が高く、高額な薬剤の使用を減らすことにつながる」と述べる。「ペニシリン皮膚検査は、ペニシリンに対する即時型過敏反応を評価する最も信頼性のある方法である。ほとんどは陰性であり、その場合、患者はペニシリンに対する忍容性をもつ可能性が高い」と、同氏は付け加えている。

米コーエン小児病院(ニューヨーク市)のPunita Ponda氏は、ペニシリンアレルギーの過剰出現はよくみられ、ペニシリン使用の回避につながる可能性があることに同意している。「周術期には抗生物質を利用する可能性が非常に高いため、この知見は特に外科的治療を含む診療に影響を及ぼす」と同氏は指摘している。

なお、学会発表された知見は一般に、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。(HealthDay News 11月7日)

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http://www.healthdayjapan.com/index.php?option=com_content&view=article&id=5380:20141117&catid=49&Itemid=98