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C型肝炎の新薬が財政を圧迫 ―米国の現行価格では12週間で治療費8万ドル超

C型肝炎の新薬が財政を圧迫 ―米国の現行価格では12週間で治療費8万ドル超

米国で新たに承認されたC型肝炎治療薬は、90%超の治癒率が期待できるものの、価格は1錠1,000ドルを超え、米国政府または民間が運営する医療保険の財政を圧迫する可能性があるという。この結果は「Annals of Internal Medicine」に3月17日掲載された2件の研究で示された。研究を率いた米テキサス大学M.D.アンダーソンがんセンター助教授のJagpreet Chhatwal氏は、それでも患者は治療を受ける必要があり、価格が障壁となってはならないと述べている。


米国疾病管理予防センター(CDC)によると、米国では約320万人がC型肝炎に罹患しているという。治療しなければ約15〜30%が肝硬変に至り、その一部は肝がんを発症する。しかし、これまでC型肝炎の治療法はインターフェロン注射しかなく、長ければ治療に1年かかり、疲労やインフルエンザ様の副作用がみられるうえに、治癒率は40〜50%にとどまっていた。

そこへ昨年、新たなC型肝炎治療薬としてギリアド・サイエンシズ社のSOVALDI(商品名、以下同)およびHarvoni、アッヴィ社のviekira pakが米国で承認された。

Chhatwal氏らは、この2つの薬剤を適格とされる患者に投与するための費用を推定するシミュレーションモデルを用いて、インターフェロンによる治療と比較した。その結果、新薬では今後5年間で650億ドルの追加費用がかかることが判明。一方、肝硬変・肝移植・死亡の回避により削減できる費用は160億ドルにとどまった。

米マイアミ大学ミラー医学部Schiff肝疾患センターのEugene Schiff氏は、「個々の患者をこの薬剤を用いて治療することにより、費用に見合う効果が得られることは間違いない」と述べるとともに、他社との競争が価格低下につながる可能性があると指摘している。一部の保険会社や州のメディケイドプログラムは、値下げを条件に製造元と独占契約を結んでいるという。しかし、メディケイドの多くは保険適用に制限を設けており、低所得者や囚人が多くを占めるC型肝炎患者にとって重大な問題となっている。

もう1つの研究では、この新薬の発売によって米国では20年以内にC型肝炎が「まれな疾患」になると推定されている。しかし、全ては患者が薬剤を利用できるかどうかにかかっているとChhatwal氏はいう。現在の状況から、米国では他国のように薬剤の価格を規制するシステムが存在しないという大きな問題が浮き彫りになり、「そのために患者は苦しんでいる」と同氏は述べている。(HealthDay News 3月16日)

http://consumer.healthday.com/infectious-disease-information-21/hepatitis-news-373/hepatitis-c-drugs-will-strain-budgets-at-current-prices-study-697479.html
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http://www.healthdayjapan.com/index.php?option=com_content&view=article&id=5712:c1282015326&catid=49&Itemid=98