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抗菌薬の反復使用が糖尿病リスクに

抗菌薬の反復使用が糖尿病リスクに 腸内細菌叢に変化か

特定の抗菌薬を繰り返し使用することによって 2TDM リスクが上昇する可能性があることが、
「European Journal of Endocrinology」オンライン版に 3 月 24 日掲載された研究から示唆された。
米マウントサイナイ医科大学ベス・イスラエル病院(ニューヨーク)の Boursi 氏らによる報告。検討では、英国の 100 万人規模のデータを解析し、まずペニシリン系、セファロスポリン系、キノロン系、マクロライド系――の 4 種類の抗菌薬を 2 クール以上処方された患者で糖尿病の発症率が高いことを明らかにした。

糖尿病リスクは処方された抗菌薬の数に伴い上昇していた。肥満、喫煙、心疾患、感染などの糖尿病リスク因子で調整すると、ペニシリン系薬投与による糖尿病リスクの上昇は 2〜5 クールの投与で 8%、5 クールを超える投与で 23%となった。
キノロン系薬投与による糖尿病リスクの上昇は 2〜5 クールの投与で 15%、5 クールを超える投与で 37%だった。

同論文責任著者で米ペンシルベニア大学(フィラデルフィア)の Yu-Xiao Yang 氏は同誌ニュースリリースで、「本研究では因果関係は示していないが、抗菌薬と糖尿病リスクの関連は腸内細菌の量や多様性の変化によって説明されるのではないかと考えている」とコメントしている。また Boursi 氏は HealthDay の取材に対し、「腸内細菌叢が肥満やインスリン抵抗性、糖尿病の背景につながる機序に影響を及ぼすことは、動物とヒトいずれのモデルにおいても示唆されている。過去の研究でも、抗菌薬は消化管の生態系を変化させることが分かっている」と解説。さらに、「抗菌薬の過剰投与は抵抗性惹起の点から世界的な問題になっている。われわれの研究は、糖尿病発症の機序を理解するためだけではなく、不要な抗菌薬治療を減らすよう警告するためにも重要だ」と付言している。

この論文に関しては、ほか 2 人の専門家も、興味深い結果でありさらなる研究の必要性が示唆されると述べている。
米マウントサイナイ・ベスイスラエル病院(ニューヨーク市)フリードマン糖尿病研究所の GeraldBernstein 氏は、「歯肉炎と心疾患の関係のように、体内の一部の細菌が他の部位の炎症に影響することは従来から知られている。腸内細菌の変化と糖尿病の関連はこじつけとは言えないだろう。今後の研究の動向に注目する必要がある」と指摘。
米レノックスヒル病院(ニューヨーク)内分泌科医 Mezitis 氏も、「腸内細菌叢の変化が 2TDM や心血管疾患、自己免疫疾患を含む慢性疾患に関連していることを示した結果だ」と述べている。