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不活化ポリオ「期限切れ誤接種」続出

不活化ポリオ「期限切れ誤接種」続出
厚労省が「確認」で注意喚起、有効期限「短い」一部製品が市場に
 厚生労働省の健康局結核感染症課が、都道府県予防接種担当課に、サノフィの単剤不活化ポリオワクチン「イモバックスポリオ皮下注」の有効期限を確認するよう求めている。有効期限が「15年6月5日」のロット番号「J0236」を、サノフィが卸に「15年4月末」まで出荷していたことが判明。7月15日時点で、有効期限切れのイモバックスを「誤接種」した事例が、「48件」報告されているため、「有効期限を必ず確認の上使用するよう」に17日までに注意を促した。

 現時点では「誤接種」による健康被害の報告はないという。サノフィは、医療関係者に、接種時には「有効期間の確認を再度徹底」するよう呼び掛けている。

 イモバックスの有効期限は「製造日から3年」(添付文書)。標準は生後3ヵ月から12ヵ月の間に「初回免疫」として3週間以上間隔をおいて3回接種。初回免疫から6ヵ月以上間隔を空け「追加免疫」として1回接種する。

 有効期限が切れたイモバックスを「誤接種」した事例は、茨城県取手市、香川県高松市でその詳細が判明している。取手市は7月7日、報告と接種ミスのお詫びを発表。流通経路や管理状況など接種までの経緯を調べたところ、「4月の納品時には、有効期限が6月5日までのワクチンのみが流通していたことが判明」したと報告した。

 高松市は7月14日に発表。5月22日時点で、医療機関側から「有効期限が差し迫ったワクチンが納入されている」との連絡を受け、直ちに卸に回収を指示。しかし、7月13日には「誤接種」が発見され、同日に卸から「回収できていないものがある」と説明を受けた。「誤接種」が発生した医療機関では、「卸業者からのワクチン納入日は5月7日であり、その有効期限が6月5日のもの」だったという。

 イモバックスは、麻痺の副反応が毎年報告されている生ポリオワクチンを不活化ワクチンに切り替える取り組みの一環として、厚労省が11年にサノフィに開発要請していたもの。その後製品化を果たし、定期接種は12年9月に開始された。

 ただ、同ワクチンは当時、将来的に発売が見込まれるジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオといった「4種混合ワクチン」に切り替えられるものという位置付けだった。

 今回の「誤接種」は、有効期限の短い製品が出回り、医療機関の在庫管理・期限確認が十分でなかったことなどが原因に上げられる。ワクチン行政の歪みが根底にはあるが、メーカー、卸、医療機関の「連携不足」は否めない。