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降圧薬、スタチンの飲み忘れで脳卒中リスクが 7 倍に


服薬アドヒアランス低下によるリスク
心疾患リスクのある人は、コレステロール降下薬のスタチンと降圧薬を指示通りに服用しなければ、致死的な脳卒中のリスクが 7 倍となることが新たな研究により報告され、「Journal of the American College of Cardiology」に 3 月 28 日オンライン掲載された。また、両方の薬をきちんと飲んでいる人に比べて、降圧薬しか飲んでいない人では脳卒中による死亡リスクが 82%上昇し、スタチンしか飲んでいない人では 30%上昇することもわかった。
研究の筆頭著者である南デンマーク大学海洋健康科学センターの Kimmo Herttua 氏は、「高血圧と高コレステロールは脳卒中の主要な危険因子だ。有効な治療薬はあるが、正しく飲まなければ効果は得られない」と述べている。
今回の研究では、フィンランドの 5 万 8,000 人超の患者データを追跡。平均 5.5 年の追跡期間中に 532 人が脳卒中で死亡した。薬の処方記録を用いて、患者が医師の指示通りに薬剤を服用していたかを調べた結果、スタチンを処方された通りに飲んでいた人は 6 割にとどまった。
専門家らは、これにはいくつかの理由があると指摘している。米ニューヨーク大学ランゴン Joan H. Tisch 女性健康センターの Nieca Goldberg 氏は、治療プログラムの開始と継続は難題の 1 つだと話す。医師が、薬の役割や処方通りに服用する必要性について適切に説明していないこともあるという。「患者が服薬と疾患予防との関連性を理解する必要がある」と同氏は述べている。
1 日の薬の数が増えるほど、患者が忘れずに服用できる確率は低くなる。また、薬の費用も問題となる。「ジェネリック薬も価格が上がっている。全く飲まないよりはよいだろうと、薬の量を減らす患者もいるが、それはしてはならない」と、Goldberg 氏は言う。最終的には、単に面倒になって全てを投げ出してしまう患者もいる。
「スタチンや降圧薬の服用を忘れないために、毎日メッセージで通知するなどの技術的な対策や、数種類の薬を 1 つの“合剤”としてまとめることで処方箋の数を減らす対策も有用と考えられる」とHerttua 氏は話している。米レノックス・ヒル病院(ニューヨーク市)の Gayatri Devi 氏は、「コンプライアンスを向上させる最善の方法は、その利益について教育することだ。私は、人から脳機能を維持する方法を聞かれたら、運動、食事、適切な薬剤により、心血管の健康を向上させることだと答えるようにしている」と話している。