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FDA,妊婦への経口抗真菌薬で注意喚起

米食品医薬品局(FDA)は4月26日,外陰腟カンジダ症の治療を目的とした妊婦への抗真菌薬フルコナゾール(商品名ジフルカンなど)の経口投与に関する安全性情報を発出した。今年(2016年)1月に妊娠中の同薬経口投与で流産リスクが有意に上昇したとするデンマークのコホート研究の報告があったことを受け,妊婦や妊娠を計画している女性には慎重に投与すべきと注意を促している。なお,FDAでは引き続き同研究を含む妊婦への同薬使用に関するデータを検証した上で,最終的な勧告をまとめる予定だとしている。

CDCガイドラインは妊婦に局所薬のみを推奨

 今回のFDAによる安全性情報は,今年1月に報告されたデンマークのコホート研究の結果(JAMA 2016; 315: 58-67,関連記事)を受けて発出されたもの。同研究では,外陰腟カンジダ症治療のため妊娠7〜22週に経口フルコナゾールを使用した妊婦3,315例のうち147例が自然流産に至り,同薬の非使用妊婦群に比べ使用妊婦群で自然流産リスクが1.48倍と有意に高いことが示された。

 この結果を受け,FDAは医療従事者に対して「米疾病対策センター(CDC)の性感染症ガイドラインでは,妊婦の外陰腟カンジダ症に対する治療には抗真菌薬の局所投与のみが推奨されていることを認識してほしい」と強調。また,妊婦や妊娠を計画している女性に対しては,外陰腟カンジダ症の治療が必要になった場合には,主治医に経口薬以外の治療選択肢について相談すべきと助言している。さらに,医療従事者と妊婦の双方に,同薬に関連した有害事象が発生した場合にはFDAへの報告を求めている。

 なお,FDAによると,現時点では同薬の添付文書には「1回150mgの単回投与であれば同薬を妊婦に経口投与しても出生児の先天異常などのリスクが上昇することを示すデータはない」と記されている。しかし,デンマークのコホート研究では,ほとんどの妊婦に150mgが1〜2回使用されていた。このことから,FDAでは引き続き同研究のデータを分析するとともに,他の関連データについても検証を進め,最終的な勧告をまとめたいとしている。また,医療従事者に対し,勧告が発表されるまでは妊婦へのフルコナゾール経口薬の処方は慎重に行ってほしいと呼びかけている。

 一方,わが国ではフルコナゾールの添付文書で「催奇形性を疑う症例報告がある」として妊婦および妊娠している可能性のある患者への使用は禁忌となっている。

https://medical-tribune.co.jp/news/2016/0427503373/