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関節リウマチ(RA)に対する低用量グルココルチコイド(GC)投与は安全で効果が高い

関節リウマチ(RA)に対する低用量グルココルチコイド(GC)投与は安全で効果が高い治療法として推奨される。イタリア・Università di GenovaのMaurizio Cutolo氏が第60回日本リウマチ学会総会・学術集会(4月21〜23日、会長=埼玉医科大学整形外科学教授・織田弘美氏)のEULAR Sessionで低用量GC療法に関する欧州リウマチ学会(EULAR)の見解について述べた。

PSL 5 mg/日以下の6カ月投与を推奨

 欧州では、低用量経口GCがRAの68%に使用されており、EUの上位5カ国ではGCを使用している85%が10mg/日未満の低用量を使用している。GDPの高い25カ国のRA患者の71%はプレドニゾロン(PSL)使用経験があり、49%が現在使用しているという。

 1980〜2004年を5年ごとに分け、RAに対する低用量GC長期療法の初回PSL投与量を比較した研究では、GCが平均10.3mg/日から3.6mg/日に減少し、低用量GC+メトトレキサート(MTX)早期併用投与の長期の安全性と効果が示された。

 また、早期RA患者における標準的抗リウマチ薬(DMARD)+PSL 7.5mg/日は寛解(DAS28<2.6)の割合を有意に増加させること、低用量PSL(7.5mg/日以下)の併用により標準的DMARDによる有害事象の発生時期を遅らせること、DMARD+GCはDMARD単独療法よりも長期成績を向上させることが示されている。

 GCの安全性に関しては、斑状出血や緑内障などの有害事象の発生は用量依存性であるが、低用量GCとRA患者の心血管疾患リスク上昇を証明するエビデンスはない。RA患者における低用量GCの中〜長期投与による有害事象の発生はプラセボと同等だと報告されている。

 今年3月、EULAR task forceはPSL 5 mg/日以下の長期投与は大部分のRA患者に対するリスクは少ないが、10mg/日を超える場合はリスクが上昇し、5〜10mg/日では患者のリスク因子と予防処置の有無によってリスクのレベルが異なることを発表した。EULARのガイドラインでは低用量GCは初期療法としてDMARD単独あるいは多剤併用療法に6カ月間併用し、それ以降はできる限り早く減量することが推奨されている。米国リウマチ学会(ACR)もEULARと同様に早期RAに対してDMARD+低用量GC(10mg/日以下)の併用を推奨している。

 またEULARは、低用量GC療法を至適化するため、疾患のサーカディアンリズムとGCの自然な分泌時間を考慮した投与時間に投与することが重要だと指摘している。

 Cutolo氏は、EULARのRAに対する低用量GC療法に関する見解は下記の通りであるとまとめた。

 @RAや慢性炎症性疾患に対する低用量の外因性GC投与は内因性GCの低下に対する代替療法となる可能性があるAEULARの低用量GCはPSL換算5mg/日未満(ACRでは10mg/日未満)であり、EULARとACRのガイドラインでは、発症6カ月未満の早期RAおよび6カ月以上の確立したRAに低用量GC投与を推奨しているB低用量GCは症状のコントロールとQOLを改善し、早期RAと長期投与におけるDMARDとして作用するCRAでは投与時間を検討して長期低用量GCを至適化する必要があるD低用量GCの有害事象発生リスクは長期療法においてもプラセボとほぼ同等に低く、低用量GCは安全でリスク対効果比が高い治療法である。

https://medical-tribune.co.jp/news/2016/0525503548/