最新情報
 

保険収載された薬剤に関する市販後臨床試験はほとんどネガティブ

保険収載された薬剤に関する市販後臨床試験はほとんどネガティブスタディだった(解説:折笠 秀樹 氏)−680

原著論文
Postapproval studies of drugs initially approved by the FDA on the basis of limited evidence: systematic review.(BMJ/5月3日掲載)
 米国FDAで2005〜12年に承認された117個の新規薬剤(123件の適応)を対象にして、市販後に実施された臨床試験758論文をレビューした。1つのピボタル研究だけで承認された割合が27%(=33/123適応)、複数の代替エンドポイント試験だけで承認された割合が40%(=49/123適応)、その両者で承認された割合が33%(=41/123適応)であった。複数の代替エンドポイント試験だけで承認された薬剤には、抗生物質や循環器・糖尿病治療薬が多かった。

 承認後に実施された市販後臨床試験の特徴についても調査された。特徴に多少違いはみられたが、驚いたのはランダム化比較試験が90%近く占めていたことであった。二重盲検試験に限っても35%(=263/758)あった。しかし、こうした二重盲検ランダム化比較試験を実施して、比較群に対して優越性を立証できた適応はわずか7%(=9/123)しかなかった。実に93%がネガティブスタディだったのである。つまり、承認前に立証されていた事実が再現していなかったことになる。とくに、代替エンドポイント試験だけで承認された薬剤については1/49適応だけしか、市販後二重盲検ランダム化比較試験で優越性が示されなかったのだ。これは何を意味しているのか。代替エンドポイント試験だけで承認された薬剤については、とくにその後の臨床試験をフォローすべきということだろう。企業からの薬剤情報では、優越性の得られた結果だけが引用されることが多い。本来はネガティブスタディを含め、偏りのない情報提供をしてもらいたい。もし難しい場合は、アカデミアの研究者が市販後の薬剤臨床試験を定期的にレビューする必要があるだろう。

 さらに、うまくいかなかった試験は出版されない傾向が実際にはある。そうだとすると、もっと市販後で優越性が再現されていないことが想定される。保険収載されているから、その薬は効くと信じ込むことは、いまやできない。同類の薬剤だから効くと信じることもできない。承認された薬剤で市販後臨床試験が実施されることは良いことだが、それらの結果を薬剤別にデータベース化して、それを定期的にレビューすることは非常に大切なことだと感じた。

http://www.carenet.com/news/clear/journal/43967